高尾 愛

  • フェデックス エクスプレス
  • Account Executive
  • 高尾 愛
  • 2005年 外国語学部 英米語学科 卒業
高尾 愛

自立する必要が多い大学の部活動

 外大へは、剣道部のセレクション(スポーツ推薦)で入学させていただきました。 勉強よりも頑張ったことといえば、なんと言っても部活だと思います。剣道は6歳からブランクなしでずっと続けていましたが、顧問の先生が絶対である高校までの部活とは違い、自立が求められる大学の部活では、先輩方からとても多くのことを学ばせていただきました。

 在学中は、アメリカへの短期留学も経験しました。留学中には、剣道の防具を持って現地で他の大学へ稽古に行ったり、イベントでデモンストレーションをしたりと、日本の伝統ある武道を海外でまた違った角度から経験する楽しみを覚えました。また、外大卒業後は、2年間ホテルで働き、その後、修士課程を取るためにロンドンにあるミドルセックス大学へ留学しました。その際も、ロンドンの剣道場に所属し、毎週2回程稽古を積みました。ロンドンにはたくさんの剣道場があり、試合も行われていましたので、出場させていただく機会にも恵まれました。
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さっさと勉強を終わらせてすぐにでも帰国したい。そう思ったロンドンでの留学生活

 しかし、ロンドンでの修士課程を取るまでの期間は、本当に勉強が辛く、正直、卒業できないんじゃないかと思ったことさえあったほどです。講義は週に2回だけでしたが、とにかくたくさん本を読んだり、たくさん英語を書いたりと、これまでの人生の中で一番英語に苦しんだ時期でした。しかも、財布を取られたり、骨を折ったりと、勉強以外にもいろいろと辛い事件が重なり、輪をかけて憂鬱な気分にさせられた時期でもありました。だから、さっさと勉強を終わらせてすぐにでも帰国したい、と思うこともしばしばありましたが、毎週の剣道の稽古にだけは、欠かさず行っていました。とても良い息抜きであり、ストレス発散になるのはもちろんのこと、同じ道を志す同士達、そして、日本人だけでなく多国籍の人たちとの交流は、剣道以外では味わえないものがありました。ロンドンは、今でもあまり良い印象を持っていませんが、当時出会った人たち、そして、特に剣道の剣友たちは一生の宝物です。だから、イギリスからマレーシアへ移った後も、同じく現地の剣道場に所属し、毎週稽古に行きました。帰国後、2015年には、3年に一度開催される世界剣道大会が東京武道館で開催されましたが、私はラトビア代表の監督を勤めさせていただきました。(主人は、ラトビア人剣士の代表です)
 社会人としては当然なのですが、部活を通じて、礼儀、忍耐、忠誠心を身につけることができました。大学時代の体育会剣道部で培ったこれらは、他のスポーツとはまったく違っていると思います。武士道という精神があるように、剣道独特のものではないかと思います。社会に出てからも、「さすが剣道部だね」と言ってもらえることは本当に多く、誇りを持っています。高校・大学時代のつらい稽古以上につらいことは、今のところ、まだ経験したことがありません。(笑)
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こんなに大きな会社の採用試験に受かるわけがない

 無事に修士課程を終え、卒業後は、ロンドン、マレーシアのクアラルンプールでの勤務経験を経て、日本へ帰国しました。マレーシアからの帰国を決めてからは、とにかく外資系の企業で営業職を探していました。これまでの海外での経験を活かしたかったのはもちろんですが、営業、経理と経験を積み、やはり、私は営業が好きだと思ったからです。外資系を重視していたのは、やはりワークライフバランス(WLB)の推進、従業員を尊重するポリシーが強いに違いないと思ったからです。フェデックス エクスプレスの募集を見たときには、「こんな大きな会社の採用試験に受かるわけがない」と思っていましたが、それでもチャレンジして本当に良かったです。現在は、国際航空貨物業の営業として、主には、輸出入・貿易をされているお客さまを訪問し、貿易業務へのアドバイスや各種サービスの案内・料金の提案などを行っています。

 入社2年目には、世界中のフェデックスの営業部員から選ばれる「Top Parformer 5%」に入り、1週間のシドニーでのイベントに参加させていただきました。本当に夢のような1週間でした。必ず、もう一度行けるように、これからも頑張りたいと思っています。また、現在は京都担当の地域営業ですが、海外出張へ多く行けるようなポジションにも就いてみたいと思っています。
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自分が自信をもって歩んできた道は、一番だと信じることができる道

 やりたいことがあれば、失敗を恐れず、必ず挑戦してください。今の状況に満足していなければ、必ず自分で動いて変えてください。必ず後で後悔します。挑戦しなかった自分は、そのときの状況、周りの人たちのせいではなく、行動を起こさなかった自分の責任です。全力でやるだけやって失敗しても、その時、自分のいる道に後悔はないと思います。私は、成功にも失敗にも必ず理由があると信じています。それは、運命です。人生のさまざまなイベントには、自分の決断、出会う人や場所、タイミングで、私たちの知らないところで、いろいろな奇跡が起きています。それは、すごいことなんです。通らなかった、経験しなかった道は知る由もありませんが、だからこそ、自分が自信をもって歩んできた道であれば、今歩んでいる道が一番だと信じることができると思います。

掲載:2016年11月
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